【第52話】湖畔のキャンプ場#1

おはなし

これは、クリスマスの大事件より、約4カ月ほどの前のおはなし。

夏休みも、もうすぐ終わりです。

クリビーは、まだ宿題をひとつもやっていませんでした。

クリビー「そろそろ、やらないとヤバいかな……。」

宿題は、

・算数ドリル
・読書感想文
・理科の自由研究

の3つです。

でも、クリビーの小学校には、ちょっと変わったルールがありました。

それは――

「超大作を作れば、宿題をしなくてもいい!」

というルールです。

超大作なら、何を作ってもOK。

たとえば、すごい読書感想文を書けば、算数ドリルと自由研究はやらなくてもいいのです。

去年は、カブのカブーンくんが数学の論文を書きました。

新タマネギのタマキちゃんとブルーベリーのベリ子は、二人でダンスの映像を作りました。

つまり、

「自分の好きなことを、とことんやってみよう!」

という

宿題の一発逆転ルールなのです。

さて。

クリビーは悩んでいました。

宿題を3つやるか。

それとも、今から超大作を作るか。

クリビー「うーん……」

超大作は、何をしてもいいのです。

でも、何をしてもいいと言われると、逆に困ります。

クリビー「何を作ればいいんだろう……?」

クリビーは考えました。

クリビー「そうだ! モモビーと一緒にやればいいんだ!」

クリビーは、モモビーの家へ走っていきました。

その日は、とても暑い日でした。

クリビー「おーい! モモビー!」

モモビー「なんだー、クリビー!」

外に出てきたモモビーは、やっぱり宿題をやっていませんでした。

しかも、まったく気にしていません。

クリビー「モモビー!一緒に超大作を作ろうよ!」

モモビー「超大作?」

クリビー「そう! 宿題を3つやるより、好きなことをやって、一発逆転しよう!」

モモビー「うーん……。」

モモビーは考えました。

モモビーは、食べることが大好きです。

運動も得意です。

いたずらも大好きです。

おちゃらけていて、笑いのセンスもあります。

だからクリビーにとって

モモビーは色んな才能があって

頼りがいのある友達でした。

そして今回の宿題は

モモビーの力に頼ればいいと思っていました。

でも――

モモビー「やっぱり、宿題なんかやらなくてよくね?」

クリビー「えっ?」

モモビーは、思った以上に、全くやる気がありませんでした。

モモビー「宿題って聞いただけで、疲れるんだよなあ……。」

クリビー「そ、そうなんだ……。」

クリビーは困りました。

クリビー「じゃあ、僕は何を作ればいいんだろう……。」

クリビーには、これといった得意なことがありません。

友達と遊ぶのは大好きです。

でも、一人で何かをずっと続けるのは苦手でした。

クリビー「僕には、得意なことがないのかな……。」

クリビーは、少し元気がなくなりました。

すると、モモビーが言いました。

クリビー「おい、クリビー!落ち込むなよ!」

クリビー「でも……。」

モモビー「こういうときは、ネギーンに聞けばいいんだよ!」

クリビー「あっ!」

二人は、ネギーンの家へ向かいました。

もちろん、ネギーンはもう宿題を全部終わらせていました。

ネギーン「えっ? 超大作を今からですか?」

モモビー「へへっ。そうなんだよ、ネギーン!」

クリビー「何かいいアイデアないかな?」

ネギーンは少し考えました。

そして、ニコッと笑いました。

ネギーン「こういうときは、必殺技を使いましょう!」

モモビー「必殺技?」

クリビーとモモビーが顔を見合わせます。

クリビー「僕たちにできないことは――」

ネギーンが言いました。

ネギーン「大人に頼る!です!」

クリビー「だね!」

モモビーが手を叩きました。

モモビー「おっさんに頼ろう!」

クリビー「ははは!さっそく行こう!」

いつものことですが、困ったときのナスビー博士です。

ところが――

クリビーたちは、海へ行ってから、ナスビー博士に会っていませんでした。

ネギーン「博士、元気ですかね?」

クリビー「研究所に行ってみよう!」

3人は、ナスビー博士の研究所へ向かいました。

ところが。

研究所の前で、ナスビー博士がしゃがみこんでいました。

ナスビー「……。」

クリビー「(えっ?)」

なんだか、いつもと違って、話しかけにくい、暗いオーラです。

クリビーたちは、びっくりしました。

クリビー「博士、一体どうしたんだろう……?」

つづく