【第44話】クリスマスの大大大事件!#6

おはなし

ガタンゴトン・・・ガタンゴトン・・・

3号車目にナスビー博士、5号車目にクリビーたち3人を乗せた列車はどんどん進みます。

長らく地下を走っていた電車は、クリビーたちが気づかないうちに地上へと乗り出していました。

周囲の景色は住宅街を抜けて、家がほとんどない、山々に囲まれた田んぼや畑、田舎の風景へと変わってゆきました。

この快速電車に乗ること約1時間半が過ぎました。

『次は、オデンユバタ駅・・・、オデンユバタ駅・・・。』

車内アナウンスが流れます。

クリビー「博士、次のオデンユバタ駅で降りるかな・・・?」

ガタンゴトン・・・ガタンゴトン・・・

トトンッ・・・トトンッ・・・

次第に電車は減速し、オデンユバタ駅に着きました。

プシュー!

ドアが開きます・・・が、ナスビー博士は、降りません!

モモビー「ゲッ!おっさんやっぱり、終点のスキースキー駅に行く気だっ!」

クリビー「まさかと思ったけど、カップルだらけの場所に、本当に1人で行くんだねっ!」

クリビーたちは車内をよく見回すと、確かに、乗客もカップルばかりが残っていました。

ネギーン「・・・もしかして、ここまでは1人でしたけど、現地で誰かと待ち合わせをしているとか・・・?」

クリビー「誰かって?女の人と!?」

モモビー「ええっ!?おっさんに彼女ー!?ないないっ!」

クリビー「じゃあ友達と?」

ネギーン「マルナスさんの情報だと、博士には友達が1人もいないって聞いたので、それもない気がしますが・・・。」

そう言ってネギーンはふと、博士が一方的に親友と言い張っているニラッチという人のことを思い出しましたが、ここではそのことを言いませんでした。

クリビー「わあ、博士、一体どんな行動するのかな?ただスキーをしに行くだけ?わざわざこの時期に?すごい気になる~!!!」

ガタンゴトン・・・ガタンゴトン・・・

再び走り始めた電車は、残す終点の駅、スキースキー駅、大きなスキースキー山がある方面へと進み始めました。

やがて電車は、大きなトンネルへと入ってゆきました。

ガタンゴトン・・・ガタンゴトン・・・

クリビー「長~いトンネルだね。」

モモビー「おれっちたち、ノリで結構遠くまで来ちゃったな・・・!」

ネギーン「そうですね・・・。家まで引き返すのにも、結構時間がかかりますね。」

そうこうして、この快速電車に乗ること2時間が経とうとしていました。

ファワッ!と、突然、周囲の景色が明るくなりました。

トンネルを抜けたのです。

そこは、白銀の世界!雪で真っ白の景色が広がっていました。

クリビー「わああああ!!!すごい雪だー!!!」

クリビーたちが住んでいる地域は12月になってもまだ雪が降っていなかったので、3人はとても驚き、はしゃぎました。

『次は・・・終点、スキースキー駅、スキースキー駅、お忘れ物にご注意下さい・・・。』

そしてまもなく車内アナウンスが流れ、電車はスキースキー駅へ到着しました。

プシュー・・・『ご乗車、ありがとうございました。』

空気音と共に、ドアが開きます。

モモビー「よしっ!降りるぞ!」

クリビー「OK!」

ネギーン「はい!」

この駅で降りても改札を出られないことを知っているクリビーたち3人ですが、モモビーを先頭に、勢いよくドアから飛び出しました。

そして、モモビーはピューと、真っ先に改札口へと走っていきました。

クリビー「え!?モモビー、そんな堂々と!博士に見つかっちゃうよー!」

クリビーの声を無視してモモビーは改札口の横でニコニコして大きく手を振っています。

クリビー「あちゃー!あんな目立つことしてっ!」

ネギーン「も、もしかして、博士にわざと見つかろうとしてる!?」

クリビー「ええ!?なんだってー!?」

すると、同じく電車を降りたナスビー博士が改札口の前まで歩いて来ました。

ナスビー「うわっ!!!モ、モモビーじゃないか!!!こんなところで、何しとるんだ!!!???」

そしてすぐ・・・

ナスビー「ああーっ!!!???おまえらもかっ!!!また君たち3人組は!!!???」

モモビーに次いでクリビー、ネギーンもナスビー博士の目に留まりました。

モモビー「やっ!おっさん、偶然だなっ!」

ナスビー「『やっ!』って、君たち、こんな遠い場所へ、子供だけで来たのか!?」

モモビー「ん、まぁ、ちょっと。」

ナスビー「子供だけでこんな遠出を許可してるのか!全く!君らの親の顔が見て見たいものだな。君らも、この駅で降りるのか?」

モモビー「おっさん、それが、ちょっと、事情があるんだ・・・。」

ナスビー「どうしたんだ?」

モモビー「実は、おれっち、今、スキースキー山に泊ってる親父とかあちゃんに会いに来たんだ・・・。」

ナスビー「何だって!?」

モモビー「そうなんだ・・でも、おれっち、今日はクリスマスイブだし、どうしても親父とかあちゃんと一緒に過ごしたくて・・・ぐずんぐずん。」

なんと、モモビーはウソの話と、ウソ泣きを始めました。

ナスビー「かわいそうに・・・。クリスマスイブだというのに、君の両親は君を除いて2人だけでスキーに行ってしまったのか・・・それで、どうしてクリビーとネギーンも一緒なんだ?」

クリビー「ぼ、僕たちは付き添いです!」

ネギーン「そ、そうなんです!モモビーがかわいそうで、ここまで一緒に来たんです!」

クリビーとネギーンも、とっさに、悪の心が働き、モモビーのウソに同調しました。

ナスビー「そうなのか・・・それで、ご両親には会えそうなのかい?」

モモビー「それが、おれっち、お小遣いが足りなくて、ここまで来たけど、改札を出られなくて・・・ぐすんぐすん。」

クリビー「実は僕たちも、お金がなくて・・・。」

ネギーン「僕もなんです・・・。」

続けてモモビーは、ここまで来るために、とりあえず1番近い駅の1番安い切符を買って、とりあえず改札に入り、とりあえず電車に乗ったことを説明しました。

ナスビー「ううっ・・・お小遣いが足りないとわかってて、でも、どうしてもご両親に会いたくて、ここまで来てしまったのか・・・ううっ、なんてかわいそうなんだ!モモビーのその気持ち、すごくよくわかるぞっ・・・!」

モモビーの両親がモモビーをのけ者にしてスキースキー山に来ているという真っ赤な嘘をペラペラと披露したモモビー。モモビーの演技に騙され、同情している様子のナスビー博士です。

モモビー「だからおっさん、、、お金を貸して欲しいんだ。ここまでの、切符代。もし大丈夫だったら、クリビーとネギーンの分も!この改札が出られれば、親父とかあちゃんの居場所は自分たちで探せるから!」

ナスビー「もちろんともっ!さあ、ご両親に会うためなら、このお金を使いなさい。」

あっさりと騙されたナスビー博士はそう言い、5000ベジカの大金をモモビーに手渡しました。

モモビー「ありがとう!!!おっさん!!!このお金は、いつかおれっちのお小遣いで絶対に返すから!!!」

ナスビー「いいんだ、モモビー。このお金は返さなくていいぞ。切符を精算して、余ったお金は3人で大切に使うんだぞ。」

モモビー「ほんとうに!?」

ナスビー「ああ。ほんとうだとも。・・・それじゃ、私はちょっと急ぎの約束があってな。もしかしたら後でスキー場の方で会うかもしれんが、先に行くぞ。よいクリスマスをな!」

そう言い、ナスビー博士はクリビーたち3人から離れ、先に改札を出てゆきました。

モモビー「ウシシシッ!やったーーーっ!!!上手くいったーーーっ!!!」

なんと、モモビーの『最後の手段』とは『詐欺(サギ)』だったのでした!!!

子供向けのおなはしなのに、こんなことを考えた作者は最低です!

クリビー「ねぇ、モモビー、あんなウソ付いて、大丈夫かなあ・・・?」

モモビー「いいんだよ!」

ネギーン「・・・絶対良くないことですよね。でも僕、つい調子を合わせちゃいました・・・。」

クリビー「僕も・・・。」

モモビー「そんなこと言ったって、おっさんを追うには、こうするしかなかっただろ!?」

クリビー「そうだけど・・・。」

ネギーン「・・・ですが、やっぱり・・・。」

何か言いたそうなクリビーとネギーンでしたが・・・

モモビー「じゃあ、このお金、使わないで、追跡調査、やめる?」

クリビー「やめない。」

ネギーン「・・・。」

モモビー「ネギーンは?」

ネギーン「や、やめません。」

モモビー「それっ!おっさん見失うぞっ!早く!行こう!!!」

クリビー・ネギーン「おーーーっ!」

結局、すごく悪いことをしてお金を得たクリビーたち3人は、結局、好奇心のあまり後に引けなくなってしまいました。ナスビー博士から借りた5000ベジカのうち、1500ベジカ×3人分のお金を使い、切符代を精算。スキースキー駅の改札口を出ることに成功してしまったのでした。

大人の事情ですが、このようなことをマネすると、クリビーのぼうけんが炎上して継続できなくなりそうなので、絶対にマネしないでね!子供の君も、大人の君もだよ!

つづく