クリビー「実は、この前からずっと悩んでることがあるんだ・・・。」
いつもと違ってボーッとしている様子だったクリビー。それを心配したモモビーとネギーンはクリビーから事情を聞くことにしました。
クリビー「それがね・・・、宿題の発表会は終わったんだけど、スッキリしないことがあって・・・。」
ネギーン「それって、社会の発表会のことですよね!1組の子から聞きましたよ!クリビーのグループは歯医者さんのことを発表して、大成功だったそうじゃないですか?それが、どうしたんですか?」
クリビー「それが、僕、歯医者さんと約束をしちゃったんだ・・・。」
ネギーン「約束を?・・・ですか?」
モモビー「なんの約束をしたんだよ?」
クリビー「それが、その歯医者さんの、白菜のハク先生はね、患者さんが少なくて困ってるらしいんだ・・・。」
それを聞いたネギーンとモモビーは顔を見合わせました。
モモビー・ネギーン『そりゃそうだよ!』
そして、2人ともクリビーと同じ意見を言いました。
クリビー「・・・そりゃ、そうだよねぇ。僕もそう思うけど・・・。それで、ハク先生に、どうしたらもっと患者さんが来てくれるのか、意見を聞かれて、その時は正直に言えなくて。」
モモビー「そりゃそうだ!!!あんな怖そうな歯医者に、そんな正直に言うなんて無茶だぜ!」

こうしてクリビーは、どうしたらもっと歯医者さんに患者さんが来てくれるのか、改めてハク先生に意見を言いに行く約束をしてしまったことを、モモビーとネギーンに相談しました。
ネギーン「・・・なるほど、それで悩んでいたのですね?」
クリビー「うん・・・。」
モモビー「・・・まあ、約束しちゃったんだから、約束は守らないとな。」
クリビー「そうだよねぇ・・・。」
ネギーン「思い切って、正直に意見を言ってしまうのはどうでしょう?」
クリビー「ええ!?」
ネギーン「あの歯医者さんの評判が悪いことは本当のことです。正直に言ってあげた方がハク先生のためにもなると思います!建物の外観がお化け屋敷みたいで怖い、病院の中も薄暗くて不気味、歯の骨のコレクションも気持ち悪い、何よりハク先生がマッチョで顔も怖い・・・これが原因です。全て改善して、もっと明るい病院、笑顔が爽やかな先生になって下さいって、言ったらどうでしょう?」
クリビー「ネギーン、、、言える?」
ネギーン「言えます!」
クリビー「ほんとに!?あの、ハク先生本人にだよ!?」
ネギーン「何事も言い方次第ですよ!丁寧に言えば、理解してくれるはずです。それに相手は大人ですし、子供の言うことですから、こんなことで怒ったりしないと思います。」
モモビー「うわぁ~、まじかよネギーン。おれっちは怖くて言えないわ・・・。」
クリビー「僕も・・・。」
ネギーン「では、三人で一緒に言いに行きましょう!」
モモビー「ええ!?おれっちまで!?」
クリビー「ほんとにー!?それだったら少しは言える気がしてきた!」
モモビー「まじかよネギーン・・・。」
という訳で、クリビー、モモビー、ネギーンの三人はこの後ハク先生のところに一緒に行くことにしました。
・・・
再び、あのお化けの城のような建物の階段の下までやってきたクリビー。そして、今回は心強くもモモビーとネギーンが一緒です。

ネギーン「・・・ウワサには聞いていましたが、、、ここまで近くに来たのは初めてです。」
モモビー「・・・ひえ~、やっぱり帰ろうぜ!」
クリビー「僕も帰りたい・・・。」
ネギーン「ダメですよ!クリビーは約束を守らないと!さ、モモビーも。」
こんなときネギーンはとても勇敢です。嫌がる2人の背中を押して、ためらわず階段を上ってゆきます・・・。
ようやく、玄関の扉の前まで来ました。
ネギーン「・・・行きますよ!」
ギィィィィ・・・・・・
また、あの大きな扉が開く、蝶番が軋む音が響きました。
クリビー「ハクせんせいっ!こんにちはっ!クリビーです!おじゃましますっ!」
三人は入り口を抜け、薄暗いエントランスで立ち止まりました。
ハク先生「ハハハ、クリビー君か!本当にまた来てくれたのかね。」
すると、ハク先生の低くて不気味に響く声が聞こえました。
「ギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」

思わずクリビーたち三人は悲鳴を上げました。
そこには前回会った時よりも更に大きな(?)ハク先生が現れました。
ハク先生「???」
クリビーたち三人が飛び上がって腰を抜かしている様子を見たハク先生は不思議そうな顔をしていました。
ハク先生「そんなに驚いて、どうしたのかね?」
クリビー「い、いえ、何でもありません・・・!」
ネギーン「(ク、クリビー、これは思ったより、なかなかですね・・・。)」
クリビー「(そ、そうでしょ!!!)
ネギーン「(僕、正直に意見を言える自信がなくなってきました・・・)」
クリビー「(え~~~!うそでしょ!?ど、どうするのー!?)」
モモビー「(おれっちは・・・やっぱり帰りたい!)」
ハク先生「ほう、今日はお友達も連れて来てくれたのか。さあ、ここは玄関だから、奥の部屋でゆっくりくつろぎながら話を聞こうじゃないか。」
そう言い、ハク先生はまたあの薄暗い廊下を進んで、クリビーたち三人を案内してくれました・・・。
つづく


