【第48話】クリスマスの大大大事件!#10

おはなし

ナスミさんが残したという置手紙を読み、マルナス助手の顔は真っ青になりました。

その内容は・・・

『シロナス先生、職場のみんなへ

今日は突然、無断欠勤をしてしまい、本当にごめんなさい。

実は、ワタクシ、ナスビー博士と2人で一緒に、遠い町でひそかに暮らすことにしましたの。

クリスマスイブの日を旅立ちに、2人で幸せになります。どうか探さないでください。

今までお世話になりました。さようなら。

ナスミより』

シロナス「今日、本当はナスミさんの勤務予定日だったんです・・・。でも、彼女は連絡もなく、出勤して来なくて・・・その上、この置手紙が病院のポストの中に入っていて・・・。」

チェリ子「ナスミは絶対に無断欠勤なんかする人じゃないわ!」

チャコ「そうよ!それにこの手紙、ナスミが書いたなんてありえないわ!」

シロナス「・・・マルナスさん、僕もそう思います。ナスミさんは無断で休んだり、僕たちに迷惑をかけるようなことは一切しない人です。それに、ナスミさんがナスビー博士とお付き合いしていたなんて、正直に申し上げて、とても信じられないです・・・。」

マルナス「た、たしかにソウですネ・・・。ということは・・・?」

シロナス「ナスミさんは、何者かにさらわれ、この手紙は捏造された可能性があります・・・。」

マルナス「で、ですよネ・・・。」

チャコ「ちょっと!おたくの所長、ずっと前から、ナスミのこと付け回してたじゃない!?」

チェリ子「そうよそうよ!ナスミ、ずっと嫌がってたのに・・・。」

突然いなくなったナスミさん・・・。

捏造された置手紙・・・。

同時に行先を告げず外出しているナスビー博士・・・。

このとき、マルナス助手を含むこの場にいた全員が顔を見合わせ、思っていることが一致しました。

マルナス「・・・ももも、もしかして!!!???おおおおお!!!そんなっ!!!ナントイウコトデショウ!!!」

マルナス助手はうすうす『彼はいつかはやる』と思っていたようですが、怒りとショックでその場に泣き崩れました。

そうです、みんなが思ったこと、それは、

『クリスマスイブ、ついに魔が刺したか!?ナスビー博士がナスミさんを誘拐した!?』

という推理でした!

シロナス「警察には連絡済みです。まもなくここに刑事さんが事情聴取に来ると思います。」

マルナス「・・・わかりました。上司のやったことです・・・ワタシも捜査に全力で協力いたしマス!」

日頃の行いもあって(?)か、関係者全員一致でナスミさん誘拐犯に疑われてしまったナスビー博士。

しかし、ナスミさんは一体どこへ消えてしまったのでしょうか?

そうです、ここでようやく事件のすべてが繋がります・・・!

・・・

はい、所変わって、今度はロッジの薄暗い地下室の様子をお送りします。

ナスビー「な、なんてことだ・・・!」

ニラッチ博士により部屋の奥の方の照明がつき、先程からそこにあったものの姿が明らかになりました。

ナスビー「ブー・・・ッ。」

ナスビー博士は鼻血を出しました・・・。

部屋の奥には、電話ボックスくらいの大きさの、透明な箱のようなものが置いてありました。なんと、その箱の中に、看護師さんの格好をしたナスミさんの姿があったのです!

今度こそ本物のナスミさんです!

ナスミさんは箱の中で両手に手錠をかけられ、閉じ込められている様子です。まるで、脱出マジックショーの、ショーケースに入った見世物の美女です。(しかも看護師さん姿の・・・)作者の趣味入れてごめん。

照明がつき、ナスミさんもナスビー博士がいることに気がついたようです。

ナスミさん「(・・・)!!!」

箱の中のナスミさんは、何か言っているようですが、壁があるせいか、全く声が聞こえません。

ナスビー「ニラッチ、お前、いい仕事してくれるな・・・。さすが私の親友・・・。」

なにかボソッとつぶやいたナスビー博士でしたが、話の進行上、今のは無視しましょう!

ナスビー「ナ、ナスミさん!!!ニラッチ、お前、ナスミさんまでも、ここにさらって来たのか!!!???いくらなんでも冗談が過ぎるぞ!!!???」

ニラッチ「冗談ではない。私は本気だ。」

ナスビー「本気って・・・、こりゃクリビーのぼうけんにしてはちょっと過激じゃないか!?」

ニラッチ「・・・いいか、ナスビー。これは遊びではない。お前が『古代文字』の翻訳をできないと言ったら、彼女はどうなるかな?」

ナスビー「急にこんな展開!?今までもっとのほほんとしたストーリーだったじゃないか!?」

ニラッチ「ハッ!やっと面白くなってきたじゃないか!」

ナスビー「ぐぬぬ・・・。ナスミさん・・・私のせいで・・・。」

ニラッチ「さあ、早くしてもらおうか。」

ニラッチ博士は壁面に映し出されている古代文字を指差して言いました。

ナスビー博士は心の中で壁に映された古代文字を一読してみます。

ナスビー「(げっ・・・。俺、全然読めるわ、古代文字・・・。)」

なんと、その内容は、恐るべきものでした。

ニラッチ「さあ、読め!何て書いてあるんだ?」

ナスビー「・・・ニラッチ、お前は、これを知って、何をするつもりなんだ?」

ニラッチ「さてね?」

ナスビー「・・・さてはニラッチ、私が協力しないことを想定してナスミさんを人質に・・・!」

ニラッチ「フフフ、早くしないと、彼女・・・どうしようかな?」

ナスビー「ダメだ!ここに書いてあることは、誰にも教えられない!思い直せ!今からでも遅くない!」

ニラッチ「もう後には引けないねえ。」

ナスビー「ニラッチ、お前、もしかして・・・誰かに脅されてこんなことを?」

ニラッチ「さてね?そう見えるかな?」

ナスビー「・・・一体何があったんだ、ニラッチ!お前が突然いなくなった理由とも、何か関係があるのか?」

ニラッチ「さあな。もう質問には答えられないね。さぁ、素直に言うことを聞きたまえ。」

ナスビー「いくら親友でも、こんなことには協力はできない!こんな、恐ろしいものを復活させることになど!」

なんと、古代文字で書かれていた恐るべき内容とは、何千年も昔に創られ、今は動かずに眠っている超アブナイ古代兵器についての記述だったのです!

ニラッチ「・・・ま、お前は私が誰かに脅されているのだと心配してるようだが、それは違う。私は、この目で確かめてみたいのだ。太古の時代に創られ、今や失われてしまった素晴らしい技術と、その威力を。その後、この兵器が誰かの手に渡り悪用されようと、世界が恐怖に陥ろうと、私にはどうでもいいことだな。」

ナスビー「なんてことをっ!!!ニラッチ、おまえは今、きっと疲れているんだ・・・お前はこんなバカげたことをする奴じゃない!!!」

ニラッチ「お前に私の何がわかる・・・。まあいい!さあ、早く、でないと、この女!まずは・・・。」

ニラッチ博士はナスミさんを捕らえているショーケースに手を触れました。

ナスビー「や、やめてくれ!わかった!わかったから!ナスミさんにだけは絶対に手を出すなっ!」

ナスビー博士は少しだけ冷静になろうと、少しの間、落ち着いて考えました。

ナスビー「(・・・そうだ、こいつはどうせ古代文字が読めないんだから、デタラメを翻訳すればいいんじゃないか!)」

ところが、

ニラッチ「ナスビー?もしデタラメに翻訳しようとでも考えているなら、それはやめておいた方がいいぞ。」

ナスビー「へ!?」

ニラッチ「もしお前のデタラメがバレたら、即刻この女の命はないと思え。」

ナスビー「ええ〜、、、まじか!?・・・ぐぅ、そんなこと言われたら、上手いデタラメ言う自信がなくなる・・・。」

ニラッチ「お前は嘘や誤魔化しが下手だからな。」

ナスビー「ハハハッ!そうなんだよ、さすが親友、私のことをよくわかってるな!」

ニラッチ「ぐずぐずうるさいぞ!・・・まさか、お前はこの女がどうでもいいということか?じゃあ、まずはこの女を●してしまって別の人質を連れてくるかな?」

ナスビー「ややや、やめてくれ〜!!!ナスミさんには絶対に手を出すな!わかった!読む読む!読めばいいんだろっ!」

これはニラッチ博士の冗談なのか本気なのか戸惑いながらも、ナスミさんに危害が加わることは絶対に避けたいナスビー博士です。苦渋の判断でナスビー博士は古代文字で書かれたことを読み上げるしかないと思いました。

ナスビー博士「・・・いいか、ここに書いてあることは。」

ニラッチ「書いてあることは?」

ナスビー博士はしぶしぶ、古代文字を解読し始めました。

ナスビー「・・・ベジタリカ歴3908年X月X日、ついに我々は完成した、我が祖国イサヤの国が世界を統一するための、超やばい威力の最新の兵器を・・・。」

ニラッチ「ふむふむ、・・・それで?」

ナスビー「この兵器の燃料は、生け捕りにした、3本の首を持つ白い竜の生体エネルギーを結晶化したものである・・・。(3本の首を持つ白い竜・・・?)」

ニラッチ「・・・ふむふむ、いい調子じゃないか。続けろ。」

ナスビー「・・・白い竜は、あっさりと捕まった。そして我々は、生体エネルギーの抽出に成功。これを用いて行った兵器による破壊攻撃の1回目の実験は成功。島が一つ無くなり、そこに住むすべての生物が死滅した。もし今回の10倍の生体エネルギーを用いた場合、一度の破壊攻撃で地上のすべての生き物の99%が死滅するだろう。・・・って、やば!?怖すぎる!!」

ニラッチ「・・・いいから続けろ。」

・・・

こうして、ナスビー博士は仕方なく、ニラッチ博士の望み通り古代文字の翻訳を続けました。

つづく